ビジネス展開

TTSの「熔融塩炉」開発のシナリオ

①熔融塩炉の要素技術の開発と商品化

2026年までをめどに、熔融塩ポンプ、バルブ、ガス状核分裂生成物除去技術、黒鉛及びハステロイNの加工組立技術、安全性分析技術、発電システム、各種計測装置、崩壊熱冷却システム及び燃料塩組成分析システム等の要素技術の開発を行います。これらの要素技術は世界の熔融塩炉ベンチャー向けに商品化します。

②2.5万kW級超小型商用実証炉の開発

2.5万kW級超小型商用実証炉の基本設計・実施設計を2026年までをめどに実施し、2028年をめどに日本国内又は海外において初号機の建設を行います。

③20万kW級小型主力商用炉の開発

2.5万kW級超小型商用実証炉初号機建設の2年後をめどに、20万kW級小型主力商用炉初号機の建設・稼動を行います。この主力商用炉は2.5万kW級商用炉とともに、熔融塩炉の世界展開の主力商品となります。

④1万kW級マイクロ商用炉の開発

20万kW級商用炉開発に前後して、主として離島等における小規模発電用又は船舶用の1万kW級マイクロ商用炉の開発を行います。

⑤使用済燃料塩の化学処理システムの開発

使用済燃料塩の化学処理は、核分裂生成物除去及び熔融塩炉の効率性向上に不可欠の技術ではあるが、開発が必要な要素技術が多く含まれるため、2.5万kW級商用実証炉等の開発と並行して開発を進め、2.5万kW級商用実証炉初号機稼動後10年以内をめどに、処理施設を建設・稼動させます。

⑥100万kW級主力商用炉の開発

20万kW級商用炉初号機の建設・稼動の後、より経済性の高い次世代主力商用炉として、100万kW級主力商用炉の開発を行います。この100万kW級熔融塩炉は、その後に開発を予定している増殖用熔融塩炉の原型炉(使用済燃料塩の連続化学処理を行わないことが増殖用と異なる)となります。

⑦増殖用熔融塩炉の開発

⑥の100万kW熔融塩炉をベースとして、ウラン燃料(U233)の増殖用熔融塩炉を開発します。

⑧使用済燃料塩の化学処理及び燃料塩供給のビジネス化

⑤で開発した技術により、世界中の熔融塩炉の使用済燃料塩の化学処理を引き受ける事業をビジネス化します。また、⑦で開発した増殖用熔融塩炉で生産した増殖ウランで熔融塩炉用燃料塩を製造し、世界の熔融塩炉に化学処理とセットで燃料塩を提供するビジネスを展開します。